移住者情報Migrant information
蛯名光男さんは北海道札幌市の出身。
2017年4月に初めて手島に訪れ2018年4月に移住しました。
香川本鷹の畑のほど近くにある平屋の家が蛯名さんの住まいです。庭にはみかんなどの実のなる木が目を楽しませてくれます。
四国旅行で足を延ばして手島へ
お酒が好きで高知県や愛媛県には時々旅行に来ていたという蛯名さん。
ふと「島にも寄ってみようかな」と思い立ち、2017年に本島を訪れました。
蛯名さんはもともと人が多いところはあまり好きではなく、都会と比べれば人は少ない本島でも「観光客が多いな」と感じたそう。
そこでもう1島に行ってみようと選んだのが丸亀港から一番遠くにあった手島でした。
訪れたのは4月。札幌市なら4月は春といえどもまだ寒い時期。
ところが手島に降り立つとぽかぽか陽気で「これは天国だなぁ。」と。
西浦海岸に腰を下ろして足を投げ出し、ぼーっと海を眺めていたところを手島に住む吉田さんと出会います。
「声をかけてくれて、コーヒーをごちそうになりました。こんな人がいるなら島で暮らすのもいいなぁ。」と心に残ったそうです。
旅を終えて札幌市に戻った蛯名さんですが、11月に再び手島に訪れ1週間ほど手島自然教育センターに宿泊。そしてまた札幌市に帰っていきました。
手島自然教育センターに3ヶ月滞在し移住を決めました
そんな蛯名さんの手島と札幌市の往復の後、2018年1月、正月が明けて間もないころに手島自然教育センターの電話が鳴りました。
電話は蛯名さんから。
「“冬でも泊まれますか?”と電話が来て、びっくりしました。」と手島自然教育センターの管理をしていた高田さん。夏は子どもたちで賑わう手島自然教育センターも冬は閑散期。
「部屋は空いているのでどうぞと伝えました。」
蛯名さんは1月から3ヶ月間、手島自然教育センターにじっくり滞在して移住を決めたのです。
住む家は島の人たちが空き家を見つけてくれて持ち主の方との交渉もサポート。外壁、トイレ、水まわりなどの一部を改修し、改修費は丸亀市の補助制度を活用しました。
手島ではじまった新しい暮らし
普段は好きな釣りをして過ごすことが多いそう。
「名前は分からないけど色んな種類の魚が釣れるよ。捌けないからキャッチ・アンド・リリースだけどね。」と笑う蛯名さん。
料理も手島に来てからチャレンジしたことの一つ。
「はじめて自分で包丁を持って料理をしました。」料理はやってみたら面白くて、はまっているそうです。
島の人たちから野菜をもらったり、蛯名さんも自治会の草刈りや作業に参加したり、小さな島だから島民同士の交流や協力は欠かせません。
8月には手島の恒例の盆踊りにも参加。浜にやぐらを建てて本格的に開催しています。この時ばかりは手島を離れた人たちも帰ってきて賑います。
「たくさんの人が帰ってきて、びっくりしました。ほのぼのとした雰囲気がよかったですね。」
瀬戸内海の多島美に惹かれて
移住のきっかけを作ってくれた西浦海岸が蛯名さんのお気に入りの場所。
「札幌市は日本海側だから波が荒いんですよ。瀬戸内海は本当に静かで湖みたい。」
瀬戸内海の多島美の風景が海老名さんをここに導いたのかもしれません。
手島のよいところはと尋ねると
「僕が思う手島のよいところは何もないところ。」と。
何に価値を置くかは人それぞれ。手島での豊かな人生のヒントは蛯名さんの心にたくさんつまっているようです。